鳥インフルエンザ騒動も、新型インフルエンザに対するヒステリックな警告も、根本で何かが違っているような気がする。
- 野鳥に対して高病原性鳥インフルエンザ・ウイルスが病原性を示さないのは何故か?(一部で野鳥の大量死も見つかっているが、これは鶏からの逆ルート感染が疑われているらしい。)
- ウイルスは野鳥の糞尿から鶏へどうやって伝播伝染するのか?その侵入ルートは?
- 高病原性鳥インフルエンザ・ウイルスは、野鳥に病原性を示さず、なぜ鶏や家鴨などの家禽に対してだけ病原性=毒性を示すのか?
- 鶏同士のウイルスの伝播のルートは?
- 弱毒性ウイルスと強毒性ウイルスの違いはどこにあるのか?
- 強毒性鳥インフルエンザ・ウイルスは、どうやって鶏を殺すのか?
- 鶏の直接の死因は?
- そもそもウイルスの病原性・毒性とは何なのか?
マスコミの鳥インフルエンザ報道も厚労省の新型インフルエンザ対策にしても、不安を煽るだけの内容で、正確な情報(ドグマではなく相対立する見方を含めて)、が伝えられていないように思える。
インフルエンザは怖い病気と、厚生省と医師会が大宣伝をかけ、それにマスコミが追随しパニックの誘発を狙っているのではないかと穿った見方さえできる。
インフルエンザに関するいろいろな疑問を探るべく、文献やサイトを当たり以下メモを取ってみた。
- インフルエンザ・ウイルスの元々の宿主は、シベリアと東アジアを行き来する鴨などの水鳥で、彼らには無害な共生者。鴨などの野鳥は、夏はシベリア、冬は南中国や日本に来て冬を過ごしている。
- 集団を営む野鳥では、棲息密度が適切に保たれ、営巣地換えや渡りで排泄物や病原体の累積を回避することで「公衆衛生」は保たれているであろうから、集団を営みながらも「伝染病」で死滅することなく種として存続している。
密集度の高い都市文明生活に、伝染病発生の本質がある。
- 鳥インフルエンザは、家鴨や鶏の糞から豚などの家畜に感染し世代交代する間に人に感染して病原性を発揮する人インフルエンザに変化したのではない
かと考えられている。ウイルスは野鳥→家鴨→鶏→豚→人間とうつる過程でウイルスの表面蛋白が変化し、一方で抗体はその表面蛋白を認識して攻撃するが、毎
年、このサイクルのなかでウイルスの表面蛋白が変化していくのでワクチンはなかなか的中しない。
- 強毒ウイルスが野鳥集団を襲い、彼らが全滅すれば、その強毒ウイルスも死滅するであろう。逆に弱毒ウイルスに感染した野鳥集団は死滅することはなく、この弱毒ウイルスはそのまま経代種として存続し続けるだろう。
- 飛ぶ鳥の筋肉は多くのエネルギーを必要とし、酸素取込能力も高い必要があり鉄分を沢山含み赤みを帯びており、40数度の体温を作って高い代謝レベルを維持している。
逆に、飛ばない鳥の筋肉は爬虫類のそれに近く、赤みが少なくパサパサのササミ状を主とし体温は40度前後。ケージ飼いのニワトリはさらに劣悪な環境にあり、筋肉の赤みもより少なく、体温もより低い状態にある。
- 鳥インフルエンザ・ウイルスは高体温の鳥生体内で寄生繁殖しているが、体外に排出されたウイルスの生存条件は寒さと乾燥であり、環境温度5度程度
の低温で15%~40%の低湿度の乾燥した環境下でウイルスは比較的長時間生存するらしい。一方、東南アジアでは通年の流行発生があり、低温乾燥の条件と
矛盾している。
- 早春、環境温度が5度以上の比較的湿潤な気候条件下でインフルエンザの流行が報告されることがある。低温でなく比較的湿潤な気象条件でインフルエンザ・ウイルスは生存し伝播できるのだろうか。本当にウイルスは検出されているのだろうか。
春先の気象条件で流行る風邪は、普通感冒(インフルエンザ・ウイルス以外のウイルスによる)の熱病化した姿ではないか。
高熱と強い咽喉痛を伴う普通感冒の熱病化は、呼吸器における自然免疫系の機能亢進を導くような気象条件などによりウイルス感染に対して過剰反応を招いた結果ではないだろうか。
- 病原性をもつインフルエンザ・ウイルスに感染すると、生体防御系は獲得免疫系の発動に先立つ自然免疫系=インターフェロンなどのサイトカイン類を産生しウイルスを攻撃するが、このサイトカイン類の作用で発熱や強い倦怠感などが生じる。
また、インフルエンザで高熱が出るのは、元々の共生していた宿主が高体温であったことに関連し、このウイルスを排除する条件として高温が必要なためではないだろうか。
- インフルエンザ・ウイルスが数時間で世代交代すると、1日で十数回、その間に変異したヤツのなかで毒性が強いものが爆発的に増殖するとされる。
最初の12時間で爆発的に増えて、この爆発的な増加と同時に身体の中でサイトカイン類も増加し、その後、ウイルスは減ってくるという。
サ
イトカイン類の代表はインターフェロンであり、この抗ウイルス作用をもったインターフェロンが無力感や身体がだるいなどの副次的な症状発現の主因だとされ
る。この病原性インフルエンザウイルスのその毒性は、細菌毒のような「毒」なのか、サイトカイン類の産生を強く刺激するウイルス成分なのか。
- 病原体進化論によれば、宿主を殺しても容易に次の宿主へ伝播できる状況があれば、極めて速いスピードで進化する病原体は凶悪化し、その逆であれば善良な同居者となる。野鳥を壊滅させるウイルスは、その野鳥の壊滅と共に消滅する可能性が高い。
- 4~5000万人が死んだスペイン風邪大流行(パンデミック)は、第一次世界大戦前後の兵士や貧困者の劣悪過密な住環境と無関係ではなく、最初の発生発病はフランス戦線の塹壕内ではないかと疑われている。
- スペイン風邪や鳥インフルエンザによる直接死因は、サイトカイン類の過剰生産(制御不能となった嵐=ストーム)ではないとかも言われている。
- スペイン風邪の死亡者の年齢パターンは、通常のインフルエンザによる死亡曲線と著しく異なっており、幼児や高齢者ではなく働き盛りの兵士世代にピークがあるという。
- 新型インフルエンザで世界的大流行=パンデミックで、数千万人から億人の、国内で64万人の死者が出るという予測がされているらしいが、一方で、
この予測はヒステリックなもので、新型インフルエンザがパンデミックとなる条件や可能性はないと言い切っている研究者も少なくない。
- インフルエンザなどの高熱を出す風邪で重症化し死亡するのは、ウイルス性脳炎ではなく、サイトカイン類によるショック反応だろうという。
- インフルエンザなどの高熱を出す風邪に抗炎症剤を投与することで発症するだろうとも言われているライ症候群による脳炎や突然死も、同様にサイトカイン・ストームの可能性が高い。
- インフルエンザに対してタミフルや抗炎症薬を投与した時に起こる突然死や異常行動も、同様にサイトカイン・ストームの可能性が高い。
- インターフェロンによるC型肝炎治療において見られた異常行動や鬱なども、サイトカインのネットワークの攪乱の結果ではないか。
- 高齢者がインフルエンザで死亡する場合は、サイトカイン類によるアレルギー反応としての間質性肺炎や、続発するインフルエンザ菌やその他の病原菌による肺炎の結果だという。
- 抗炎症鎮痛解熱剤は、体温を下げると同時に生体の抵抗力を下げてしまう。免疫系の実体であるサイトカイン類の活性は低下し、血の循環も悪くなり、ウイルスは増殖する。しかし、生体内の免疫反応は止まらず、サイトカイン・ネットワークの制御が効かず攪乱状態になりかねない。
- 抗生物質はウイルスには効果がなく、生体内の常在菌を殺してそのバランスを崩してしまう。常在菌のバランスがウイルス繁殖を抑制し免疫機能を維持している側面がある。抗生物質を早く投与し過ぎると、この常在菌のバランスを崩し、ウイルスは逆に増えてしまう可能性がある。
抗生物質は、後期、いったんウイルスの増殖が終わり、気管や肺の防御力が低下して細菌性肺炎が起こった段階で投与されるべき。例えば、二週間たっても、まだ咳が止まらない、黄色痰も多い、比較的高い熱が続く場合など。
- インフルエンザ・ウイルスは、咳やクシャミなど体液の飛沫やその粒子が核となって伝播するが(飛沫感染・飛沫核感染)、密室条件や近接摂取の機会
などがあればの話であり、その伝播の多くは体液や排泄物の付着物を接触して感染する接触経口感染ではないか。つまり、手を洗うことが一番重要。
- ヨード剤(イソジン)などの消毒薬剤でウガイするのは二重の意味で間違っている。イソジンは強力な消毒殺菌剤であり、咽喉の常在菌を殺してしまい
ウイルスにその席を空けてやることになる。また、強い殺菌力は正常細胞・組織をも傷つけてその活力を奪うことで、ウイルスや他の細菌の接着を容易にしてし
まう。ウイルスの繁殖の素地を形成するこの二重の意味で、ウガイにイソジンなど殺菌・抗菌・消毒薬剤を用いるのは間違っている。
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