養生之暦 H28年 3月
仲春 五日啓蟄 二十日春分
◆寒暖乱高下が週単位で繰り返された二月でしたが、月間平均はほぼ平年並みでした。野鳥観察者の話では、今年は冬の渡り鳥の飛来が少なかったそうで、鳥の世界では暖冬傾向は確かだったようです。早お彼岸の月。梅は満開、桜もすぐそこ。陽も長く、空も明るく、日の移ろいの早いこと。
◆6500万年前頃、原始的なサルたちが森での樹上生活を始めたそうです。2500万年前頃には、サルから類人猿が分岐したと考えられています。現生の類人猿にはテナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーがいますが、彼らの祖先と我々ヒトの祖先が他のサル達から分かれるのには実に4000万年の時が必要でした。サルはモンキー、類人猿はエイプと区別されて呼ばれます。類人猿は、前足=腕を使って枝から枝へと移動する腕渡りをするのが特徴で、この腕渡りこそが、ヒトが直立二足歩行して手を自由に使うことを準備したと考えられています。腕渡りを可能とした身体の仕組みの変更は、肩甲骨が背中側に移動したことです。これによって腕が外側に挙上することが可能になったのです。腕を斜め上に挙上できるようになれば、その位置からの振り降ろし動作、つまり強い殴打が可能となります。懸垂で鍛えられた手に握られた石を使った打擲、その石の投擲へと続く身体動作の進化は、ヒトが危険に満ちた地上に降り立つに際しての安全を担保しました。五十肩などの肩の病の起源は、腕渡りに適応した身体と、腕渡りをしなくなったことにあります。小学校の校庭にある遊具、雲梯は、私たちの樹上生活の記憶を呼び起こさせるためにあるのでしょうかね。
言の葉を 吊して母の雛節句
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