養生之暦 H27年10月
晩秋 八日寒露 二十四日霜降
◆九月の気温は、月間平均ではやや低く、平年より一度ほど低めでした。エルニーニョ現象の発生と季節推移が早めに推移していること、冷夏暖冬傾向の可能性を推測してきましたが、そんな結果です。ドイツの有力自動車企業が、二酸化炭素排出にまつわる技術的な問題で欺瞞をなしていたことが発覚しました。地球温暖化への敵対という構図です。しかし人口に膾炙された、この手の危機感とは裏腹の衝撃的な予測も出ています。「太陽の活動周期に関する新しい数学モデルにより、十七世紀に起きたマウンダー極小期と小氷期が、あと十五年ほどで再び訪れる可能性がある」というのです。つまり二〇三〇年代には太陽活動が60%低下し、地球の温度が急激に低下するとの予測です。この予測が当たるとすれば、温室効果ガスをもっと多く排出して小氷期に備えておく必要があるのかもしれず、VWは賞賛されるべきなのかも知れません。
◆先の大戦の末期、遥か南方ニューギニアのジャングルで敗残した旧日本兵達の話。いつ何時マラリア発作に襲われるか分からず、個人の生の活動が無力化する環境下、軍隊階級も腕力も学歴教養など全ての現世的な力が一切無になる原始的とも言える生活環境で、それでも人は誰かの助けを得ることが出来て生きのびた、そんな話です。鳥類と哺乳類だけが子育てをします。人類だけが生病老死に向き合い、養育と看護と介護と葬送をなします。九十歳の元気な老婆が、「私を含めて最近の老人はもう誰も死ななくなった。いつまでも死なない老人を敬う必要はない」と言ったとしても、誰もが誰かの助けを必要とする人の道は不変で高貴です。介護犯罪の深淵に、敗残日本兵の話を思い出した次第。
往還の自在なりしか彼岸花
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