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2014年12月 4日 (木)

筋肉痛と鍼治療 (2006/07/07)

運動後の筋肉痛(遅発性筋肉痛)については、よほど痛みが強く長びかない限り治療の対象になることは少ない。 損傷した筋繊維の完全修復には3~4週を要するとされるが、これが鍼治療で短縮するのかどうか。

常連の運動選手や愛好家達は、試合の後やハードな練習後に来院するが、この時の治療は大抵はかなり強目のものとなっている。

このような 時、彼等は、筋肉痛というより「張り」や「こわばり」の改善を求めているが、この「張り」や「こわばり」の所在が深ければ深いほど、やはり鍼も深く刺すこ とになる。浅い「張り」や「こわばり」は、浅い鍼や遠隔刺激でも事足りる。これらの「張り」や「こわばり」が遅延性筋肉痛といえるかどうか微妙である。

これに対して、試合前とか調整期に訴えられる「張り」は、当然にして遅延性筋肉痛ではなく、文字通り筋肉の部分的な過緊張か、関節の動きが部分的に適合性を欠いた筋腱の動きの不調であったりするようだ。

試合前などに、むやみに筋緊張を弛めてしまうと場合によってはパフォーマンスが落ちるはずで、賢い選手達はTPOで治療する所を選んでいる。自分の筋肉や関節の状態と場面と治療家の得意技を勘案しているのであろう。
賢い治療家も、選手達の状態と場面に合わせて治療法を採用すれば良いはずだが、如何せん得意技がつい出てしまいがちとなる。場面に応じて治療を禁欲するのは難しいところがある。

閑話休題

筋肉痛の鍼治療の考え方としては、打撲や肉離れや捻挫などによる筋肉損傷と同じでよいだろう。

筋肉痛に対する鍼治療の効果は

  • 筋トーヌス調整神経系への干渉により筋緊張を弛める
    硬く痼った筋肉の収縮残留を解く
    → 筋内血管に対する外的抵抗の減弱 筋ポンプ作用の回復
  • 自律神経系の血管反射を介した血管拡張
    → 筋内血管を拡張させ筋内血行を改善して
  • 損傷組織の修復過程の促進

などによるものと考えられる。

ところで

下手なマッサージや指圧の後の「揉みこわり」
強い鍼刺激の後の「鍼ごわり」

などは一種の筋肉痛と考えられるが、その本態は「遅発性筋肉痛」と似たようなものなのだろうか?

そもそも「遅発性筋肉痛」の本態も、本当のところよく解っていない。
子供に筋肉痛は起こりにくいこと。
高齢者でも筋肉痛が起こりにくいこと。
これらの知見は「遅発性筋肉痛」の本態を示す重要なヒントのように思う。

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