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2014年11月23日 (日)

気圧とむくみ (2002/05/27) 

◆鍼灸の学校で同級生だった茨城の菅波先生からメールを頂いた。

膝関節の機能障害や痛みを伴う変形性膝関節症の人と、健康な人を人工気象調節室に入れて減圧実験を行った。それぞれの膝周囲に糸を巻き付けた部位の変化を観察したところ、健康な人では巻き付けた糸に変化はなかったが、膝痛もちの人では糸が皮膚に食い込んでしまった。つまり、膝痛もちの人は気圧が下がると膝周囲に浮腫あるいは腫脹がみられた。

この実験結果をどう考えるか、というのが頂いたメールであった。

◆同じような実験を、湿度変化や温度変化を加えた環境下(それぞれ他の指標は一定にして)でおこなってみたらどうであろうか。
特発性浮腫と呼ばれる熱帯でのご婦人の「むくみ」の報告は、イギリス人の女性がインドへ旅行したときにひどい「むくみ」に見舞われた、としてイギリス統治時代に記録されているという。
夏登山では、女性が全身的な「むくみ」に見舞われやすいことが知られている(高校の時、登山部の先輩の女性が酷くむくんで豚まんのようになったことが印象に残っている・・・)。 女性のむくみやすさは、基礎代謝の問題と断熱(脂肪)層が大きいこと、つまり比較的に放熱能が低く蓄熱しやすいこととの関連で考えやすいのではないか。

◆皮下組織における細静脈系とリンパ系の振る舞い(あるいは皮下組織間隙の「水」の浸潤分布)は、気圧・湿度・温度に非常に敏感に反応している。気圧の低下、湿度の上昇、温度の上昇は、皮下組織における還流系に同じように大きな影響力をもっている。
皮下組織における還流系の振る舞い、これが経絡現象の実体の一部である可能性は非常に高いものと考えている(周知の通り、リンパ流と経絡については古くから関連性が考えられている)。
一体何故に「気圧の低下、湿度の上昇、温度の上昇」は、皮下組織における還流系に同じように大きな影響力をもち、(機能低下した)皮下組織に浮腫傾向をもたらすのか。

◆「気圧の低下、湿度の上昇、温度の上昇」は、体温制御を担う皮膚・皮下組織を往還する冷媒である体液=血液・リンパ液の分布や流量の変化応答をもたらす。 体温制御は、産熱と放熱のバランスの上に成り立っており、皮膚・皮下組織を往還する冷媒である体液=血液・リンパ液の分布や流量の変化は、熱放散制御系の実働機構の重要な部分であると考えられる。
気圧の低下は、化学的には「温度上昇」と同じ意味を持ち、さらに、脈管としての組織形態が弱いリンパ系は、外圧の影響で容易に水分の漏洩をもたらし易いものとも考えることができる。
湿度も汗蒸散を左右することで熱放散にとっては大きな影響をもっている。 もし、微弱でも何らかの通過障害が還流系にあれば、その遠位部には水分の貯留が認められ、場合によっては組織内圧の亢進があり、何らかの<侵害状態>が成立するのであろう。

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