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2014年11月21日 (金)

筋肉の5月病 (2002/04/16)

◆筋肉の5月病
正確な統計などでなく印象としての話。
春先5月と秋口10月頃には、寝違いあるいは筋違いに類する筋肉の変調症状が多く出現する。
これを私は、筋肉の5月病と呼んだりする。
寝違いを中国では落枕(らくちん)と言うらしいのだが、まさに枕を外してしまい首筋を痛める寝違いの様子を言い得ているようだ。
先週来院された患者さん、Aさん[年に数回、主に首の痛みで来院、首の筋違い様の痛み]、Yさん[週1回健康管理的に来院されている、肩胛骨の間の筋違い]、Hさん[初めての鍼治療、腰の筋の痛み]、Sさん[週1回、65歳にして更年期障害様の症状で来院、腰の筋の痛み]、Tさん[めまいで週1回来院、肩と首の筋の痛み]、などなど連続して「5月病」の患者さんがあった。
今年は例年より10日以上も季節進行が早く、はや「5月病」の出現となっているような感じ。

筋肉の5月病=筋違いは、陽明あるいは厥陰と呼ばれている陰陽二相(つまり冬夏の)の転換期の後半によく見られる症状で、筋肉の中の微細循環が何ら かの不安定な状態となった時期に、冷たい風にさらされたり、不自然な姿勢や動作で筋が伸ばされたりした時に、筋肉の繊維の鎖のような連鎖がある種「絡まっ た」状態となって生じる、と考えてみる。
絡みついた筋を無理矢理に伸ばそうとすると、痛みを生じ、その痛みのため筋肉はまたもや不自然に収縮してもっと絡まってしまい、ついには「ひん曲がった首や腰」を演出してしまう。
こ の理屈は、ふくらはぎの痙攣で無理矢理に筋を伸ばすと強い痛みが残るのに似ているが、首や腰の筋肉は、筋肉の中でも特殊な役割と機能を持っているためか、 ふくらはぎの筋肉の場合は筋肉痛様の痛みが残るだけなのが、首や腰の筋肉は姿勢反射が強力に働いて姿勢を維持しようとする自律的な働きと、痛みを回避しよ うとする意志的な働きのジレンマに陥って、ついには「ひん曲がった首や腰」を演出してしまうのではないだろうか。
寝違いでも強度になると、背骨の関節の捻挫様の状態にもなるし、1週間10日でも改善しないこともある。
とにかく、痛みと痛みを回避しようとする働きがこんがらがると、強度の筋違い現象が現れる。
普通は、1週間もほっとけばそのまま自然にでも回復するが、それでも直らない「悪循環」の要素があると、かなり痛い思いをすることになる。
陽明や厥陰の後半になぜこのような筋肉の病態が生じやすいのかは、筋肉の中の微細循環が季節変動で何らかの不安定な状態となった、という位の仮説で考えている。

◆脊柱管狭窄症で馬尾神経痛が強いOさん
いよいよ末期的な痛みと痺れ症状で眠れぬ夜が続く。無力であるけれど、不安にどう立ち向かうか、受け入れるか、その一点に的を絞っての治療が続く。
標準体重をかなりオーバーしているので、かかりつけの外科医(内臓外科)は、手術を勧めない。私は、やってみる価値はある、手術後もシニアカーを使う、ということで何とか生活はできると説得するが、これでは普通の話とはあべこべである。
シニアカーは危険である、あんなもので公道を走るのは迷惑、などなど本人の生活の幅を狭めるような周りの無責任な発言に、当人も怖じ気づく。
80歳にして電動車椅子で天神まででも出かけ、社交ダンスにうつつを抜かす猛者Yさんを見習え、との声もなかなか届かない。
今度の日曜日に、近くの中古シニアカー売り場に連れ出したいと思っているが・・・・・・
どんな場合でも、どんなに制限されているケースでも、それなりの快適さを得ることはできるはずで、その状態が痛くて不満足であっても「それなりに」生きていけるのだから、それ以上の不安を妄想する必要はないのだが、不安にさいなまれる。
「いざり」になっても「いざれば」いいのではないか。と、夫君もはげますし、私もそう思うけれど。

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