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2014年11月 9日 (日)

肥満の改善なしに膝痛が改善する訳 (2001/12/03)

◆膝痛を訴える標準体重15キロオーバーの女性○さん
40台前半のこの女性は、甲状腺腫の切除手術後ここ数年体重が身長換算体重から15キロほどオーバーしている。何らかの代謝異常も考えられるような太り方。
半年前からパートで保母の仕事に復帰している。
一ケ月前、子供を抱いた姿勢で床近くの低い場所の物を操作したときに左膝を捻り、それ以来左膝のお皿(膝蓋骨)周囲に動作時に痛みがあり、子供の世話をするのにも困難を感じている。
近くの整形外科では、減量と保母の仕事を休んではとされ、鎮痛薬を処方される。保母が不足がちで休みにくいとのことで来院される。
10年ほど前から時々診ている患者さんで、久しぶりに拝見して肥満の程度に少し驚いたが、本人はいろいろと減量法も試み、食生活にも気をつけている所からすると、何らかのホルモンバランスが体重増加の一因かも知れない。

小さな子供を低い位置から抱き上げる時には、膝を上手に使わないと腰も痛くなることはご本人も自覚されており、今回の「ケガ」も十分に腰を落とさず半身の形で膝を捻りながら曲げたことが直接要因と考えられる。
膝 関節の捻挫などの「ケガ」で軽度のものは、関節内障害略して「内障」と呼ばれたりする。本式に靱帯や半月板の一部が破損したり断裂したりするほどの「ケ ガ」ではないが、半月板の「縁」や関節の袋の一部は「捻りながら曲げる」動作を行うと、関節部やお皿の間に「挟み込まれて」損傷してしまうことがある。
特にお皿の骨の周りの組織は、大きく屈伸するときに大きく移動する皿の骨と股の骨の間に「挟み込まれ」るような状態になりやすいようだ。
運動軸が1~2本の関節(ちょうつがい)では、どういう場合でも「捻りながら曲げる」ような複合連続動作は、関節の内部とその周辺部の「装置」を破損してしまう危険性がある。

この女性も、直接的に傷めている部位はお皿の内側の下縁付近であり、そこの生じている「キズ」がふさがり丈夫な組織に修復しなければ痛みは無くならない、ということになる。だから、安静と休養は第一条件であろう。
減量の意義は、屈伸時に膝にかかる荷重がより少なければ関節とその周囲への無理が少なくなる、ということでこれも条件の一つであることには違いない。
だがしかし、問題はもう少し複雑であって、下肢の筋力、脛とふくらはぎの筋肉の柔軟性=>足首関節の柔軟性と耐荷重能力などについても検討する必要がある。
(膝痛とふくらはぎ 股と膝と足の「並び」 の項参照)
この女性は、ふくらはぎの深部(内脛の骨のすぐ際から深くに触れる)の強い筋肉の強ばりを解いてやることで、「体重はそのままで」「大して休養もとらず」に膝痛は半減し、週1回4週ほどでほぼ仕事中の痛みは消失した。

ふくらはぎの深部(ヒラメ筋とか足底筋など)のこわばりは、万人共通といえるほど誰もが硬く、「握圧」すると飛び上がらんばかりの痛みを示す。
私の理論、「支持系筋のこわばりとその改善」の仮説は、関節内障害であっても関節炎であっても関節周囲障害であっても同様に養生と治療の基礎理論になると考えている。

◆猪首の×さんの頸腕神経痛
障害が軽度で治療も早かったこともあり順調に回復している。
このような神経痛の場合、首→肩→腕→手の順に症状が出現し、同じく首→肩→腕→手の順に症状は軽減し消失していく。つまり、この方の場合、手の甲の痛みとシビレ感の改善が最も遅れ、感覚のマヒが最後まで残る。
治ゆした後も、正月に向けての高所での大ばさみによる剪定作業は、今年は止めた方が安全である。

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