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2014年10月19日 (日)

乳児突然死とうつぶせ寝 ある産婦人科医の仮説 (2001/11/19)

先日、乳児突然死とうつぶせ寝について「高体温説」をとなえているという福岡市の開業産婦人科医の先生の新聞記事を読んだ。(うっかりしてスクラップしそこねた。ホームページも開設されているようなのでそのうちに探し出せるだろう。)

その説は、

  • 乳児は低体温が心肺機能を賦活する引き金である
  • うつぶせ寝では蓄熱しやすく、寝具をよけいにかけるとなおさら高体温となる
  • 高体温は心肺機能を抑制する

    このような状況が、 「心臓の活動を司どる交感神経支配の発達異常が、心室の収縮時間を表わすQT時間を延長させ、致命的な不整脈を誘発して、心停止につながるのではないかと考えられています。心交感神経支配は誕生後も発達し続け、生後6ヵ月目に完全に機能するようになります。生後6ヵ月目以降に突然死が少なくなるのは、このためと思われます。」
    (加藤小児科医院サイトから)

感心したのは、「うつぶせ寝では高体温となりやすい」ということに着目されたこと、関心があったのは、うつぶせ寝姿勢=最も放熱が少なく、寒さに耐えやすいような生物学的な温熱生理機構がある、ということ。

オーストラリアの原住民アボリジニは、日中は30度、夜間は零下近くにまで下がる気温環境の中で裸で寝具もなく暮らしていたという。彼らの皮膚構造を調べた研究があって、皮膚からの熱放散の制御の仕組み(ヒートポンプのような)が非常に巧妙にできているという。彼らの寝姿は、まるで猫のように丸くなるわけだ。

つまり、うつぶせ寝は、ほ乳動物にとって最も放熱ロスの少ない姿勢なわけで、逆に言えば最も蓄熱・うつ熱して高体温になりやすいということ。 若い母親は、風邪を引かせまいとしてたくさん着せて保温に努めようとするのが常だが、生物としての乳幼児は低温に強く高温に弱い(比較的・相対的に)のかも知れぬ。 うつぶせ寝で寝具をほとんどかけない、などという「実験」は出来ないが、興味深いことである。 感心しているのは、自分の感覚と知恵で「うつぶせ寝では高体温となりやすい」という子供の事実に目を向けて、オリジナルな仮説を立てていること。

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